京都南法律事務所 新法・改正法の紹介

「障害者差別解消法」が施行されました

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」は,2016年4月1日に施行されました。障害者差別解消法は,すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的としています。本法の「障害者」は,身体障害,知的障害,精神障害,発達障害その他の心身の機能の障害のある方で,障害及び社会的障壁により日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態の方を言います。本法は,教育・医療・福祉・公共交通・雇用など障害者の自立と社会参加に関わるあらゆる分野を対象にしています。

◆「不当な差別的取扱い」の禁止・・・・・国や地方自治体等の行政機関等及び事業者は,障害を理由とする「不当な差別的取扱い」を禁止されます。たとえば,障害を理由として,サービスや様々な機会を提供することを拒否・制限・条件をつけるなどの行為は禁止されます。

◆合理的配慮の提供・・・・・障害者やその家族,介助者,支援者から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合は,その実施に伴う負担が過重でない範囲で,社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められます。例えば,障害特性に応じたコミュニケーション手段(筆談,読み上げなど)をとることなどです。ただし,合理的配慮に関しては,行政機関等は法的義務ですが,事業者は努力義務とされています。

◆たとえば,大学教育の現場で・・・・・国公立大学では,合理的配慮の提供は法的義務であり,私立大学でも取組みが推進されています。障害のある学生にも,修学機会及び教育の質と公平に評価される機会が確保されるよう求められます。

弁護士 吉田 眞佐子

情報更新:2016年8月
 
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