コラム 中尾 誠 
学習会の講師をして
 仕事柄、時々、学習会の講師をすることがあります。近頃では、「憲法9条改悪について」と「教職員の働き方改革について」のテーマのものを行いました。
 全く関心のないテーマについての講師を引き受けることはありませんので、そのことについて一定の知識はあるのですが、準備として、新たに最低1冊は関係する本を読むように心がけています。新鮮な気持ちで、学習会に臨むことができるからです。
 そのテーマについての論点が何かを意識して話し、結論めいたものはあまり言いません。参加者が、そのテーマについて、引き続き考え、自分なりの方向を自分で考えてもらえればと思っているからです。
 話をしている時に、参加者が居眠りをしていることがよく(時々)あります。あまり面白くないのだと思い、どうすればその人達の目を覚ますことができるかが、目標の1つとなります。「この法案が通ると、あなた方の職場はなくなってしまいますよ」と言った時、参加者が一斉に目を覚ましたということがありました。
 印象に残っている学習会は、30年以上前に2人の子どもがお世話になっていた保育園で保母さんを対象にした「子どもの権利-児童憲章を踏まえて」というタイトルのものです。子どもの権利についてどう考えるかを、自分なりに整理をすることができました。「児童の最善の利益について、最高の考慮が払われなければならない」という、児童権利宣言の文言は、今でも覚えています。
 学習会をして一番得をするのは、参加者ではなく講師なのかもしれません。
 
2018年5月