京都南法律事務所 新法・改正法の紹介

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律
(令和3年法律第5号)(令和3年2月13日施行・但し一部を除く)
 新型コロナウイルス感染症関連三法の改正で、「まん延防止等特別重点措置」の創設と、いくつかの要請に対して応じない場合に「過料」の制裁を科すことを主な内容とするものです。

1 まん延防止等特別重点措置(特別重点措置)
 その措置が発せられる事態とは、特定区域におけるまん延(対策特別措置法31条の4)であり、緊急事態宣言(同法32条)が、全国的かつ急速なまん延であることとの関係では、その前段階の「事態」と位置付けられています。
 また、緊急事態宣言が都道府県単位であるのに対し、特別重点措置は、市町村単位(知事がその区域を指定)とされています。県単位でコロナがまん延するわけではないことを踏まえれば、ありうる規制の仕方であると思いますが、特別重点措置(事態)と、緊急事態との区別は、実際にはわかりにくいものとなっています。
 因みに、4月12日から5月5日までの期間で京都府について発せられた特別重点措置に基づく飲食店・遊興施設等の使用制限(午後8時まで)は、京都市内のみです。

2 要請に応じない場合の「過料」
 飲食店などが時短要請に応じない場合に、特に必要な場合は、命令することが出来るようになりました(過料の制裁付き)。この関係で、緊急事態宣言下における同様の要請に応じない場合も、同じく、命令、過料の規定が新設されました。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の関連ですが、正当な理由がなく入院措置に応じない場合について、同じく、過料の制裁が科せられることになりました(同法46条、80条)。
 フランスでは、ロックダウンをした上で、原則外出禁止とし、違反した場合は、最大3750ユーロの罰金と禁錮刑が科せられるなど、多くの国で、罰則をもって行動規制をするということが行われていますが、日本もそれに一歩近づいた(?)のかもしれません。

(参考HP)
 ・新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の概要
  (内閣官房)
  https://corona.go.jp/news/pdf/tokuso_gaiyou_r3.pdf
 ・まん延防止等重点措置(内閣官房)
  https://corona.go.jp/emergency/
 ・京都府まん延防止等重点措置について(京都府)
  http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/documents/0409.pdf

 以上

弁護士 中尾 誠

2021年4月
 
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